さまざまな揺れを再現する
「動的加振装置」
構造物を地震から守るための研究は、
総合インフラサービス企業の大切な
使命。より正確で実際に近い有効なデータを
得るため、
さまざまな振動を再現した振動台で
実験を繰り返します。


研究開発展開
部分架構試験体による性能の確認
柱、梁部材の繰り返し性能/
制振ダンパーの効率
非構造部材の耐震性の確認。
天井/外壁/設備機器の耐震性
居住性の確認。
強風、地震によるダンパーの疲労試験。
地震時の内容物の挙動/風揺れの居住性/
工法別揺れ低減効果を体験


ICI総合センター
シニアプロデューサー
龍神 弘明
Hiroaki Ryujin
建築物や土木構造物などの地震時の挙動を明らかにし、地震に対して効果的な対策などを開発するための装置です。ICIには、地震の実際の揺れを再現する動的加振装置として「三次元振動台」と「動的アクチュエータ」があります。
三次元振動台は電磁式を採用しており、振動テーブルサイズが4m×4mと、電磁式の振動台としては世界最大級のものになります。油圧式に比べると揺れの再現性に優れ、低騒音なので、地震の揺れだけでなく機械振動による建物の揺れといった環境振動の再現なども可能です。最大2Gの上下、左右、前後(三次元)の揺れを再現して、縮尺模型などにより構造物の挙動を確認します。
一方、動的アクチュエータは、増幅装置や振動テーブルを付与することで、9種類の加振モードが可能になります。特に長周期地震を想定した±1.5mの一軸大変位加振を実現しました。長周期地震動を受けた場合の超高層ビルの揺れの再現も可能です。
これらの動的加振装置は、建物だけではなく、家具や天井の挙動確認や土の検体を使った地盤の実験などにも利用できます。また、耐震建物と免震建物の揺れの比較を体感してもらうといった使い方も可能です。さらにICIならではの取り組みとして、ベンチャー企業による地震を想定したシステムやセンサーなど、実際に地震が起こってみないと評価ができない開発のアイデアを、本装置を活用して社会実装へ結び付けたいと考えています。